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「しんとく丸」

河内国、高安郡信よし長者のひとり息子しんとく丸は、長者夫婦が清水観音に祈って授けてもらった申し子である。長者夫婦はしんとく丸を寵愛し、幸福な生活が続いたのであるが、あるとき母の死を契機として、その幸福な生活が突然失われてしまう。その原因のひとつは、母の代わりに後妻として迎えた継母が、嫡子しんとく丸を失脚させ、実子の乙の次郎に家督を継がせようと企んだことにあった。
継母の讒言によって父に見放されたしんとく丸は、その上に継母の呪詛を受けて醜い"いれい"(癩病)となり、父の館を追放されて天王寺へ捨てられる。



しんとく丸は観音の霊夢によるお告げの指示もあって、業病本復のため、霊験あらたかな熊野本宮、湯の峯の湯に入るべく、ひとり熊野に向かう。



しかし途中、許嫁であった乙姫の館(和泉国の近木庄にある)とも知らず、施行を受けるために立ち寄ったしんとく丸は、その醜い癩に冒された姿を館の人々に笑われ、激しい恥辱感に身を虐む。そして熊野にjは行かず、天王寺へ再び戻り、堂の縁の下に隠れて餓死を思い立つ。

そのところへ、しんとく丸と夫婦の約束をした乙姫が、親の制止をふりきって巡礼姿に身をやつし、諸国を放浪しながらしんとく丸を探し求めてやってくる。

二人の劇的な対面があり、乙姫はしんとく丸をかばい、庇護して、後には観音から授かった鳥箒の呪具(祓いの道具)によって、しんとく丸の身体をもとの姿にもどす。喜びの二人は末永く長者として栄える。
by count-zero-y | 2011-07-12 15:45 | 文学 | Trackback | Comments(0)
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